三八地区ボランティアネットワーク研修会(新郷村)

平成30年1月27日、青森県三戸郡の新郷村川代ものづくり学校にて、平成29年度ボランティアネットワーク事業三八
地区研修会『もの・ひと・まちづくりから「地域」を考える』セミナーin新郷村を開催しました。
平成24年の南部町での開催を初めにその後三八地区の7市町村を一年ごとにまわり、研修の場を通して、ネットワー
ク(つながり)を築きながら地域への「思い」を共有していこうと6年目の開催。
今回は、事例紹介(話題提供)とパネルディスカッションの2部構成となり、事例紹介では、開催地の新郷村から川代地
区振興会の前会長小笠原敏彦氏と会場となった廃校の校舎を活用して村民の活動拠点と利用されている川代ものづ
くり学校で活動を続ける朝市工房福ふくの店長高橋悦子氏、八戸市から「なんか楽しそう」を作り出す市民集団まちぐ
み組長の山本耕一郎氏の3名による現在進行形の話題提供が発表されました。


小笠原氏は川代地区にあった学校、自分たちが育った学校が荒れ果てた姿は見たくないという思いで村と協議を続
け、校舎の利活用による活動拠点の場づくりに結び付け、「川代ものづくり学校」が生まれた経過や地区でワークショッ
プを開催し、何の活動をすれば地域が活性化するか、盛り上がるか、元気になるかなど多くの人が集まり話し合い、川
代地区を「団結力」で作り上げていると話されました。
高橋氏は子育ても終えて、第2の人生を「おもしろく生きたい」と何かやろうから始まり、資金はあまりかけずにできる朝
市からスタート。思いついた「布草履」を販売、思いのほか売れ行きがよく、資金を貯めることにも成功。タイミングよく
商工会のインターネット販売へも出店、その後、朝市工房としてもホームページを立ち上げ、「自分たちが手づくりでま
ごころ込めた作品が全国の方からご購入いただけ、喜んでいただける。それが作り手の職人のメンバーも嬉しい」と高
橋氏。70代となった今、輝き続ける姿でおもしろく生きるというセカンドステージに巻き込んだ仲間15名とともに活動を
元気に続けていると発表。


八戸市からまちぐみの山本氏は、ちょっと面白さや楽しさを加えることで普段何気ないものが魅力あるものに変わった
りすると、仏壇などを取り扱う仏具店をルイヴィトンのような外見のお店にしたり、衣料店のディスプレイのマネキンに遊
び心を少し加えて「殿様が着物の帯を引くア〜レ〜」をやってみたり、店舗の窓ガラスやシャッターに「ここの店主は趣
味が似顔絵らしい」などの街のうわさを広げるなど活動はもちろん、その活動に参加するまちぐみの組員は400名を超
える「まちぐるみ」での活動を紹介。現在は新たに高校生と「南部せんべい」をつかったスウィーツの開発販売やカフェ
の開店など中心街の活性化に400名以上の組員と「なんか楽しそう」を作り出している事例紹介がされ、第1部終了。


【第2部】では、第1部の事例紹介で発表された3名に加え、パネラーとして、新郷村埋蔵金伝説発掘探検隊の平葭健悦
氏、小坂浪漫クラブの田沢匡輝氏、鹿田山車組の福山智樹氏、村魂祭実行委員会の三瀧信孝氏の4名でのパネルデ
ィスカッションが行われました。

平葭氏は、探検隊の立ち上げは新郷村の隠れた魅力=宝の発掘により、多くの隠れた魅力を発信していきたい思い
から始めた、その活動について紹介。毎年恒例となった村のCM制作でもアイデア出し合いながら魅力を30秒に詰め込
んで、村をPR。「人」こそが村の宝であり、魅力と平葭氏。
田沢氏は小坂地区での活動のきっかけは、「自分自身が地元へ戻ってすぐに地区の消防団に入団。そのときに年上
の方ばかりで話が合わず、若い頃は居づらさもあった。その経験から居心地のよい地域をつくっていきたい」と話し、仲
間となって統合してなくなった学校の体育館の環境整備をしたり、綱相撲大会に出場するなど活動を続けて20年目とな
った活動について紹介しながら、新郷村の魅力は「仲間」と話されました。
福山氏は始めは予算ゼロ円からスタートし、山車を手作りで八戸などの祭りの山車を参考にしながら制作。新郷村の
マスコットキャラクターを山車にしたり、保育園の園児たちと山車を引くなど地域の戸来三嶽神社例大祭のみこし行列
の最後尾を飾るまでに。その山車を楽しみにしている住民も多く、「毎年、どんな山車ができあがり、子どもたちと一緒
に行列を歩くのかと楽しみ。観に来るのが生きがいになってます」という方も。伝統あるものを新しいアイデアと自主的
な「ボランタリー」な思いで実現していると話されました。


三瀧氏は、「当たり前すぎて気づかないことがたくさんあり、村外の若い人も新郷村を知らなかったりする」と認知度を
高めたい思いから野外音楽イベント「村魂祭」を2017年に開催。「村に何もないと不平を言うだけでは変わらない」と自
分たちの手で新郷村を楽しんでもらえるイベント内容にしようと、食べるのも飲むのもなければ自分たちでやろうと特産
品の郷のきみのポタージュスーピなども出店し、来場客に楽しんでもらい、リピーターを増やしていると話されました。
パネルディスカッションでは、新郷村の魅力はそこに住む人であり、その人の力で地域の魅力(宝物)を発見して、磨き
上げることが大切。少ない人数でスタートしても、蛇行しながらでも進んで、人とつながっていき、仲間が増えていき、道
も太くなるような村づくりを進めていこうと、会場全体で最後は新郷村の未来を語り合いました。
森林資源にも恵まれている新郷村。木質バイオマスエネルギーなど地域資源の循環の動きもあり、ここに住む「ひと」と
この多くの「資源」によって村の明るい未来がこれからも作られていくのだと感じるセミナーとなりました。


平成30年度度は、7年目八戸市での開催予定です。






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